PDFページのためのPNG・JPG・WEBP比較
出力形式は変換ツールが最初に尋ねる選択であり、解像度を除けば結果に最も大きく影響する項目です。ここでは3つの形式が実際にどう違うのかを、PDFのページに載っていることの多い内容に即して整理します。
可逆圧縮と非可逆圧縮
PNGは可逆圧縮です。生成されたファイルは、描画されたピクセルへ一切の欠落なく復元できます。JPGとWEBPは非可逆で、画像を解析したうえで人間の目が気づきにくい情報を捨て、近似を保存します。ファイルが大幅に小さくなるのはそのためです。
この違いは写真よりも書類において重要になります。非可逆圧縮は高い周波数成分をならすことで働きますが、白地に載った黒い文字は画像として最も高周波に近い対象です。文字ページのJPGを強く圧縮すると文字の周囲に薄い灰色のにじみが出るのはこのためで、この現象は一般にリンギングと呼ばれます。
PNG
ページが主に文字・表・図・線画で構成されていて、輪郭を崩したくない場合はPNGを選びます。最終成果物ではなく途中段階の画像である場合にも安全な選択です。非可逆形式は再エンコードのたびに少しずつ劣化しますが、PNGは何度開いて保存し直しても劣化しません。
代償はサイズです。PNGは情報を捨てるのではなく繰り返しを見つけることで圧縮するため、内容の変化に富んだページでは圧縮が効きません。高いスケールでは1ページで数メガバイトを超えることもあります。
JPG
JPGは現存する画像形式の中で最も広く対応されています。画像の送り先が古い環境や特殊な環境、あるいは自分では管理できない環境である場合、JPGなら確実に開けます。写真的な内容の扱いにも優れているため、スキャンしたページや画像中心のパンフレットには自然な選択です。
文字の多いページでは画質設定を高めに保ってください。0.9以上であれば、通常の表示サイズでリンギングが見えることはまずありません。0.7を下回るあたりから画面上でもはっきりわかるようになり、特に小さな文字の周囲で目立ちます。またJPGは透明度を扱えないため、PDFページの透明な領域は単色の背景と合成されます。
WEBP
WEBPは3つの中で最も新しく、一般に最も効率的です。体感的な品質が同程度であればJPGよりはっきり小さいファイルになることが多く、くっきりした輪郭と写真的なグラデーションのどちらも無難に扱えるため、内容が混在したページの既定値として適しています。
弱点はブラウザの外での対応状況です。現行のWebブラウザはすべてWEBPをデコードできますが、古いデスクトップアプリケーション、印刷のワークフロー、企業の文書管理システムには未対応のものが少なくありません。送り先が分かっていて、それが新しい環境であればWEBPが最良の答えになります。分からない場合は賭けになります。
判断の目安
保存や編集を前提とした文書ならPNG。自分でパイプラインを管理できるWeb用途ならWEBP。スキャンや写真、対応環境が読めない場合は画質0.85以上のJPG。迷ったときは、100ページを一気に変換する前に1ページだけ2つの形式で出力して見比べてください。
どれを選ぶにせよ、形式の選択は解像度と切り離せないことを覚えておいてください。十分なスケールで出力した高品質のJPGは、そもそもスケールが低すぎたPNGよりほぼ確実に良く見えます。